これからITパスポートの学習し始める人に向けて、ITパスポートの難易度や学習時間、忙しい社会人でも最短で合格するための学習方法を紹介します。
ITパスポートは、ITに関する基礎知識ならびに会計や法務、マネジメントなどのビジネス知識を幅広く有していることを証明する国家資格です。業種に関わらず、社会人が知っておきたい知識を網羅的に学ぶことができます。
ITパスポートは、ITに触れた事の無い人でも学習がやり易い、素晴らしい国家試験じゃ!
この記事では、ITパスポートに、ITパスポートの難易度や学習時間、独学で合格するための効率的な学習方法などを紹介します。
100万人が受験しているITパスポート試験とは
始めに、ITパスポート試験について概要を紹介します。
時代が求める「ITパスポート」の概要
「ITパスポート」は、IPA(情報処理推進機構)が実施している情報系の国家試験です。累計受験者は100万人を超えています。ITパスポート試験に合格することは、現代社会で働くすべての人々が持つべきITリテラシーを持っていることを証明できます。
それにより、ITを活用する方法や ITにまつわる正しい知識を保有していることをアピールできます。
ITパスポートの学習範囲には、ITスキルと組み合わせて持っておきたい知識も含まれます。合格するには企業活動のあるべき姿や経営戦略とは、会計法務の内容とは、など社会人として、身につけたい幅広い知識を習得する必要があります。
試験はCBT方式
試験はCBT方式で、通年受験が可能です。会場により日程が異なるので、都合の良い日を選んで予約をしましょう
試験は、3科目100問を120分以内に選択式で解答します。点数はその場で画面上に表示されるので、合否が受験後すぐにわかります。
試験で問われる3分野とは
ITパスポートは、次の3分野が試験で問われます
テクノロジ系
ネットワークやセキュリティ、データベースなど、IT技術の用語や基礎的な計算などを体系的に学習します。
ストラテジ系
企業の社会的責任や経営戦略、コンプライアンスなど、企業のトップが考えるべきこと、目指していることを網羅的に学習します。
マネジメント系
業務効率化やコスト管理、業務に必要なITスキルなど、企業のマネジメントに必要な知識を具体的に学習します。
情報社会に欠かせないIT用語の習得と、情報セキュリティへの考え方は、多くの業職種に共通するものです。そのため、社員研修としてITパスポート試験対策をする企業が増えています。また、大学や一部の高校でも、学科に関わらず受験対策講義が行われています。
1ヵ月で「一発合格」を狙える難易度!
次に、ITパスポートの難易度と学習時間を解説します。
難易度は基礎レベル
IPA(情報処理推進機構)が実施している試験種別において、ITパスポートの難易度は基礎レベルに区分されます。ITパスポート試験は、文系や理系、業種に関わらず、すべての社会人を受験対象像として位置付けています。
ITパスポート試験自体の合格率は50%程度です。初学者でも、しっかり学習すれば一発合格が狙える国家資格となります。
これなら一発合格狙えそうです!
合格率をみて油断する人が落ちるのじゃ…気を引き締めて学習する事をおすすめするぞい!
わ、わかりました…笑
学習期間は1ヵ月〜
前提として、理系の一部の学部などを除き、大学生や高校生の場合、社会経験やIT知識がゼロからのスタートです。このような条件の場合、合格までに180〜200時間ほどの勉強時間が必要になるでしょう。
社会人の場合、IT知識がなくても法令や会計なども出題されるので、学生と比べるとアドバンテージがあります。ほとんど学習せずに合格する人もいる試験なので、元から持っている知識の差によって勉強時間が変わってきます。
受験者層の多くを占めている「IT知識はないが社会経験がある人」の場合は、基礎インプットから過去問題アウトプットまで、すべて含めて150時間〜180時間が目安となります。
ITパスポートの試験勉強は、1日2時間の学習で3カ月程かかると言われています。ただ、暗記が多い試験なので、1日あたり3〜5時間の学習で、1ヵ月程に集中する方がトータルの学習時間は短くなる上、得点率も上がると考えられます。
特に、ストラテジ系は、新論点が増えており広く浅い分野です。用語を覚えていないと解答できない問題が出題されます。
独学方法は網羅的・反復的に
独学方法は、ビジネス用語とIT用語ともに、ゼロスタートの場合、まずは網羅的・反復的な学習を進めましょう。学習順序は、本試験で出題される科目と同じく①ストラテジ系、②マネジメント系、③テクノロジ系の順序で大丈夫です。進め方は次の通りです。
テキストと過去問題集
過去問題集や過去問題サイトをざっくり読み、どのような問われ方をするのか把握しましょう。問われ方のイメージができたら、テキストを熟読していきます。
問題練習
テキスト学習と並行して、過去問題集や問題アプリを活用して問題を解きます。テキスト見開き1ページで3〜5問くらいの問題を解きましょう。問題文がさまざまな言い回しで問われますが、問われている内容そのものは類似しているので、学習とともに正答率が上がっていきます。
得点率をチェック
本試験同様に、時間を測って問題を解きます。出版されている演習問題集や、IPAが公開している過去問題集を使って、得点率をチェックします。
本試験形式の問題で、8割〜9割とれるようになるまで、上記の3つをを繰り返します。
短期集中ならテクノロジから攻略
ある程度ビジネス経験のある社会人かつ短期集中型の人には、より良い学習戦略があります。多くの独学で合格した方がイチオシしている方法です。
それは、①テクノロジ系、②ストラテジ系、③マネジメント系の順で学習することです。
学習順序にこだわる理由は、次の3点です。
- テクノロジ系は問題数が多いので、得意科目にしておきたいから
- 学習後半に詰め込みやすいのは、馴染みのあるストラテジ系とマネジメント系だから
- ストラテジ系とマネジメント系の暗記学習は、試験日に近い方が効率が良いから
では、順に解説します。
理由①:問題数が多いので確実に攻略
テクノロジ系から学習する理由の1つ目は、問題数の多いテクノロジ系を先に攻略するのが効率的だからです。テクノロジ系を得意科目にすれば、試験の約半分をスムーズに解答できるようになります。
テクノロジ系の出題数が45問、ストラテジ系が35問、マネジメント系が20問です。全体で6割正解で合格となる試験なので、最も問題数の多い科目に学習開始時から時間を投資しましょう。よって、問題数が多く総合得点への影響が大きいテクノロジ系で得点を稼ぐのが学習全体として効率的です。
理由②:学習負担が大きいので前半に習得
2つ目は、社会人の場合、ストラテジ系やマネジメント系で問われる組織の仕組みや法務、会計などは、テクノロジ系よりもイメージしやすい内容だからです。そのため、テクノロジ系よりも、学習の負担が少なくて済みます。
システムの開発手法やデータの計算など、業職務では扱わない内容を学習するので、非IT企業の人にとっては学習負担が最も大きな科目です。後回しにしてしまうと、理解が追いつかないまま受験日を迎えてしまうでしょう。
理由③:暗記科目ではないので先に進めてOK
3つ目は、テクノロジ系は暗記よりも理解が大切な学習内容だからです。ただ単に覚えるだけではなく、先に学習を進めて計算練習やシステム体系を理解できるまで繰り返す必要があります。
また、テクノロジ系は、ストラテジ系・マネジメント系と比べると、社会背景に左右されないシステムそのものについて出題されます。その為、理解していれば解ける問題がほとんどです。一度理解すれば、解答できる問題が多いので、先に学習すると良いでしょう。
以上の理由から、短期合格を狙うにはこの順序がオススメします!
独学者が使うIPA学習コンテンツ
最後に、独学者が使っているIPA公式の学習コンテンツを紹介します。
試験実施団体である、IPA公式の過去問題集を多くの受験者が活用しています。ダウンロードはこちらからできます。
また、初めての学習には以下で紹介する参考書をオススメします。
令和03年 イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生のITパスポート教室 (情報処理技術者試験)
こちらの書籍はITパスポートを理解するのに定評がある「柏木先生のITパスポート教室」シリーズで、毎年新版が発売されています。令和3年版も既に発売されているため、これから学習を始める人にとって最適なテキストとなっています。
また、最近改定が入った2021年3月までのシラバス4.1と,2021年4月からのシラバス5.0に両対応している点もオススメできるポイントです!
かんたん合格ITパスポート過去問題集 令和3年度 秋期 (かんたん合格シリーズ)
こちらの簡単合格シリーズの過去問題集は、ITパスポートを演習するのに必須の参考書になっています。一通りこの過去問題集を解けば、大抵の問題は解けるようになっているといっても過言ではありません。
左側ページが問題/右側ページが解答・解説となっており、問題を解きながらスムーズに学習を進める事が可能です。
過去の問題に関してはIPA公式HPからダウンロードできます。最低でも直近3年分は必ず履修しておきましょう。さらに過去の問題に関しては余裕があったら解くぐらいで十分です。
社会背景が反映されやすい試験なので、古いものまで広く手を出すよりも直近のものを確実に理解し、解き直しで満点を取れるまで繰り返す方が効果的です。
まとめ
この記事ではITパスポート試験について、次のポイントに絞って解説しました。
- ITパスポート試験は、ITの基本知識の他、ビジネスに必要な会計や法務、マネジメント用語も出題される
- ITパスポート試験は、知識ゼロからのスタートでも150時間〜200時間の学習で一発合格を狙える
- 短期集中型で合格を狙うなら、ストラテジ系から攻略するとベター
lTパスポートは、現代社会人が当たり前に備えておきたい知識を網羅していますので、是非チャレンジしてみてください。