AIや機械学習の知識を問うG検定について、資格の難易度や取得のメリット・デメリット、勉強法について解説します。
近年、AIやディープラーニングといった言葉を耳にする機会が増えてきました。実際にプログラミングを行うエンジニアの中でも「AIエンジニア」や「データサイエンティスト」という仕事の人気が高まりつつあります。
この記事ではそんな「AIエンジニア」や「データサイエンティスト」を目指す方なら是非とっておきたい「G検定」の資格について紹介します。
最近G検定の話をよく聞くようになりましたよね?
AIやデータサイエンスが注目されてきて、G検定も同じく注目されてきたからじゃな。詳しく解説していくぞ!
そもそもAIとは何か?
AIとは英語で(Artificial Intellgence)といい、日本語だと人工知能と呼ばれます。
AIそのものには様々な種類がありますが、その中でも今主流となっているのが「機械学習」と「深層学習(ディープラーニング)」と呼ばれる2種類です。
機械学習と深層学習
位置付けとしては機械学習の種類の1つとして深層学習があります。
機械学習は、与えられたデータ群から何らかの規則性を学習し、それに基づき新しいデータから将来を予測、判断する技術のことです。機械学習を使った具体的な例としては「日別の気温のデータからアイスの売り上げの予測」や「人の性別や特徴のデータからタイタニック号での生存率の予測」などがあり、幅広い分野で活躍しています。
コンビニの商品の発注にも機械学習が使われているって聞いたことがあります!
機械学習の中でも深層学習は「ニューラルネットワーク」と呼ばれる人の神経の信号をモデル化したものを用いてより複雑な問題を解こうとする技術のことです。深層学習を使った具体的な例には「画像のデータ群から画像の種類を判別」や「画像の中から特定の物体を色付けする」などがあり。人間が行う作業を代替できるところまで進化しています。
判別だけではなく、偽物の画像やビデオを作ることもできるようになっておるのじゃ!
そうした機械学習や深層学習を駆使し、データから最適な学習方法を選択する人を「データサイエンティスト」、さらに実装まで行う人を「AIエンジニア」などと呼びます。
G検定とは
「G検定」とは「Generalist 検定」の略称で呼ばれている資格の名前です。G検定は一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が運営する資格の1つで、「ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているか」を検定する試験になります。
JDLAの会長は、AIの研究で有名な松尾豊教授が務めておるぞ!
具体的にはAIやディープラーニングに関した知識と理解が問われます。そのため「AIエンジニア」や「データサイエンティスト」と名乗る職業の方や、会社を経営する方などAIを扱いたい方や利用したい方からの人気を集めている資格になります。
経営者からも人気なのは意外ですね
同じ協会が運営する1つ上の試験として、E検定というものもあります。こちらの方がG検定よりもレベルの高い試験になります。
G検定を取るメリット・デメリット
G検定を取得するメリットとデメリットについて紹介します。
G検定を取得するメリット
まずはG検定を取得するメリットから解説します。
AIについて体系的に学べる
データサイエンティストやAIエンジニアを目指す人にとってはG検定で学ぶ内容はまさにそれらの職種に必要な知識であるため、勉強しながら業務について学ぶことができます。
AIの勉強をしながら取得できるのはメリットが大きいですね!
さらにG検定に合格することができれば、きちんと社会から認められた資格を持つデータサイエンティストやAIエンジニアとして活躍することができます。
就職活動や転職活動に有利になる
G検定は履歴書にも書くことができる立派な資格です。さらにG検定はまだ知名度が低く、取得している人も少ない資格であるため、周りと差別化することができます。特にデータサイエンティストやAIエンジニアとしての仕事に就きたい場合にはG検定は必須となる資格と言ってよいでしょう。
新卒就活では周りと差をつけられるという大きなメリットになるぞ!
実際の業務に活かせる
G検定で学ぶ範囲はまさに社会や企業で使われている技術や概念であり、学んだその日から実際の業務に活かすことができます。これがG検定の取得を目指す方がエンジニアや学生だけではなく、経営層の方も合格を目指す理由です。
AIはほとんど全ての業職種を改善する力があります。自分の会社はAIを使ってどのような改善ができるか知るために、会社を運営されている方などからもG検定は人気があります。
経営者も取得を目指すのにはこういった理由があったんですね!
G検定を取るデメリット
G検定を取るデメリットはありません。一方で未だに知名度の低い資格であるとは言えます。ただし、AIのブームはまだまだ続いています。今後さらにブームとなりG検定を目指す人が増え、知名度も社会に広まるかもしれません。
ただしG検定で問われる技術はAIに関した範囲に限られるため、エンジニアなどで汎用的に活躍したい方の場合にはITパスポートや基本情報技術者の資格を目指しても良いかもしれません。
自分の進みたいキャリアに応じてどの資格を取得するか吟味するのじゃ!
基本情報技術者の資格に関してはこちらの記事にまとめています。
G検定の試験内容と難易度
次にG検定の具体的な試験内容とその難易度について解説していきます。
AIの知識が全くないんですけど合格できますか!?
合格できるかは自分の勉強次第じゃ。楽に取れる資格には意味がないぞ!
G検定の内容
G検定では上記でもAIに関した知識と理解が問われます。
開催時期
G検定は年3回行われ、3月、7月、11月に行われます。
申込受付はそれぞれ1月〜2月、5月〜6月、9月〜11月に行うことができます。
受験料
受験料は一般の方と学生で異なり、一般の方の場合は13,200円(税込)で、学生の方の場合は一般の方の場合は5,500円(税込)となります。
再受験の場合には割引を受けることができ、受験日から2年以内の方は半額(一般:6,600円、学生:2,750円)で受験することができます。
受験の条件
G検定の受験の条件はありません。どなたでも行うことができます。
試験会場
現在はオンライン実施により、自宅のPCから受けることができます。
試験内容
試験問題は全て多岐選択式の問題が220問出題され、試験時間は120分となります。
申し込み方法
こちらのG検定の公式サイトから申し込むことができます。
G検定の合格基準
G検定の合格基準に関しては公式から公表されていません。
非公式ではありますが、受験者からの感想では合格基準は正解が全体で70%前後の必要があると言われているそうです。
非公式の情報なため、この目標よりも余裕を持って合格できるように勉強することが重要だと考えられます。
合格基準が明確じゃないのは、なんだかフェアじゃない気がしますね…
G検定の出題範囲
G検定の出題範囲はAIに関した歴史から具体的な実装まで幅広く出題されます。
具体的な出題範囲は以下のようになります。
- 人工知能(AI)とは(人工知能の定義)
- 人工知能をめぐる動向
- 探索・推論
- 機械学習・深層学習
- 人工知能分野の問題
- トイプロブレム、
- フレーム問題、
- 弱いAI・強いAI
- シンボルグラウンディング問題
- 特徴量設計
- チューリングテスト
- シンギュラリティ
- 機械学習の具体的手法
- 教師あり学習・教師なし学習
- 強化学習
- データの扱いと評価指標
- ディープラーニングの概要
- ニューラルネットワーク・ディープラーニング
- CPU・GPU
- 活性化関数
- 学習率の最適化
- ディープラーニングの手法
- CNN
- 深層生成モデル
- 音声処理と自然言語処理分野
- RNN
- 深層強化学習
- ロボティクス・マルチモーダル
- モデルの解釈性と対応
- ディープラーニングの社会実装に向けて
- AIプロジェクトの計画、データ収集、加工・分析・学習、実装・運用・評価
- 法律・契約
- 倫理、現行の議論
一覧を見ると同じAIの分野でもその出題範囲の広さがわかるかと思います。
AIエンジニアとして活躍するなら幅広い知識が求められるということじゃ!
G検定の難易度
G検定の難易度は一般的には難しいと言われていますが、合格率自体は60%〜70%と高めの水準となっています。
2020年3月 | 2020年7月 | 2020年11月 | 2021年3月 | |
受験者数(人) | 6,298 | 12,552 | 7,250 | 6,062 |
合格者数(人) | 4,198 | 8,656 | 4,318 | 3,866 |
合格率 | 66.66% | 68.96% | 59.56% | 73.77% |
しかし、合格率の高さの背景にはG検定自体の知名度が低いことや、受験をする層の多くがAIエンジニアやデータサイエンティストを目指す方や、実際にその業務についている方だと言われています。
実際の出題範囲で問われている内容は、大学の授業などで勉強する数学の理解や実際の現場でも通用するAIに対する知識なため、難易度の高い検定だといえるでしょう。
独学でも取ることが可能か
G検定の合格には30〜45時間の勉強が必要だと言われます。これは他のIT系の資格に比べるとかなり低い水準です。理由としては、内容や出題範囲に関して1度理解すると解ける問題が多いためだと考えられます。
さらに試験中に問題について調べるこも可能なようです。詳しくは下記の記事を参考にしてみてください。
他の資格に比べてコスパが良いため、資格取得を目指しても良いかもしれません。
G検定の勉強法・対策法
最後にG検定の勉強法について解説します。一般的な資格の対策には「過去の問題をたくさん解く」などがありますが、G検定に関しては公式から過去の問題が公表されていないため有効とは言えません。
一方でG検定では公式からのテキストなど良質な参考書が多く存在するため、そうした参考書を用いた対策が良いでしょう。
参考書による対策
オススメの参考書について紹介していきます。
深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第2版
こちらは公式から販売されているG検定のテキストになります。試験範囲に関しては間違いなく全て網羅されているため、迷ったならこのテキストを買えば失敗はないでしょう。
公式のテキストなら試験範囲に関して安心して勉強できますね〜!
これ1冊で最短合格 ディープラーニングG検定ジェネラリスト 要点整理テキスト&問題集
こちらのテキストはG検定によく出題される部分にスポットを当てているため、効率よく資格対策ができる参考書になります。G検定対策のための独自の問題集もついているため、実際の試験を想定した対策を行うことができるのもオススメできるポイントです。
出題されるポイントが絞られているのは忙しい社会人にとっては大きなメリットですね!
最短突破 ディープラーニングG検定(ジェネラリスト) 問題集
G検定の問題を実際に解いて学んでいきたいという方にはこちらの問題集をオススメします。特に今まで資格などの試験を過去問中心に学んできた方にはこちらのテキストがオススメできるのではないでしょうか。
もちろん問題だけではなく、きちんと出題される概念などに関しても解説がしてあります。
資格の勉強には問題集での実践が不可欠じゃ。1冊買っておいて損はなし!
G検定対策講座の受講
G検定の勉強を効率よく進める1番の方法はG検定対策講座の受講をすることです。対策講座ならばわからない点があっても講師の方に直接質問することができるので、効率よく最短で合格することができるのではないでしょうか。
受講費用はかかってしまいますが、G検定の受験費用は一般の方の場合は13,200円(税込)と高額なため、時間とお金を無駄にしないためにもG検定対策講座の受講はオススメすることができます!
G検定の対策講座には資格試験のオンライン講座【資格スクエア】の評判が良いです。こちらの講座では文系の方でも合格者を数多く輩出しています。G検定を必ず取りたいという方は講座の受講を検討しましょう。無料で会員登録できるので、G検定の情報を得るためにとりあえず登録しておくことをオススメします。
大事なことは資格に合格することじゃ。お金はかかるが自身のキャリアを考えるのなら教わることは恥ずかしいことじゃないぞ!!
まとめ
いかがだったでしょうか。この記事で解説したポイントをおさらいしましょう。
- G検定ではAIの知識と理解について問われる
- G検定はデータサイエンティストを目指す方や経営者の方にもオススメできる
- 出題範囲が広いものの、必要な勉強時間は少なく独学でも突破可能
G検定はAIを扱う方に重宝する資格であるだけではなく、AIを使ってビジネスをしたいという方にもオススメできる資格です。今後のAIの発展とともにG検定の重要性もますます上がるのではないでしょうか。
周りが気づいていないうちに取得できれば大きなメリットになりますね!
合格率の見直しもいずれ起こるかもしれないぞ。今がG検定取得のチャンスなのじゃ!
この記事を機会にぜひG検定の資格取得を目指してみてください!