基本情報技術者試験で出題される単語や用語の覚え方について解説しています。特に文系の方や初めて受験する方に向けて、覚え方や勉強のコツについて詳しく解説します。
基本情報技術者試験ではテクノロジ系からストラテジ系、マネジメント系など幅広い分野から問題が出題されます。特に文系の方や初めて受験する方にとっては馴染みのない単語や用語が多く、覚えることに苦労している方が多いのではないでしょうか。
この記事では基本情報技術者試験に合格するための単語や用語の覚え方について解説していきます。特に文系の方や初めて受験する方に向けて、覚え方や勉強のコツについて詳しく解説します。
基本情報技術者試験は出題される単語が多すぎます!
そういう方は是非この記事を参考にしてみてほしいぞ!
基本情報技術者試験の午前試験の勉強法についてはこちらの記事で解説しているので、併せて参考にしてみてください!
基本情報技術者試験での単語・用語の覚え方
まずは基本情報技術者試験での単語・用語の覚え方について解説していきます。
基本情報技術者試験は覚えるのが苦手な方でも十分に対策できるぞ!
単語と単語を紐づけて覚える
単語・用語を覚える際には、この単語にはこの単語がセットになるといった紐付けをしながら勉強を行うと効果的です。
例えば記憶素子として有名なDRAMとSRAMを覚える際には
- DRAM→主記憶装置、安価
- SRAM→キャッシュメモリ、フリップフロップ回路
とように紐付けしながら覚えましょう。実際の試験は選択肢からの解答になります。単語と単語を紐付けておけば、例えば下記のような問題が解けるようになります。
SRAMと比較した場合のDRAMの特徴はどれか。
(ア) 主にキャッシュメモリとして使用される。
(イ) データを保持するためのリフレッシュ又はアクセス動作が不要である。
(ウ) メモリセル構成が単純なので,ビット当たりの単価が安くなる。
(エ) メモリセルにフリップフロップを用いてデータを保存する。
基本情報技術者試験 平成27年春期の問題より
上記の問題はDRAMがSRAMに比べて安価なことが紐づいていれば「ウ」を解答することができます。
用語を覚える際に単語と単語、単語と用語といった紐付けを是非活用していてください。
英語の略語はそれぞれの正式名称を覚える
基本情報技術者試験では多くの略語が出てきます。例えば「FIFO」「SWOT分析」「CRM」などがあります。このような略語を覚える時に、何の単語を略した言葉なのか覚えると効果的です。
例えば上記の3つの正式名称は
- FIFO:First In First Out
- SWOT分析:Strength, Weakness, Opportunity, Threat
- CRM:Customer Relationship Management
になります。
略語の正式名称を覚えているだけで、下記のような問題を解くことができます。
仮想記憶におけるページ置換えアルゴリズムとしてFIFO方式を採用する。主記憶のページ枠が3で,プログラムが参照するページ番号の順序が,4→3→2→1→3→5→2のとき,ページインは何回行われるか。ここで,初期状態では,主記憶には何も読み込まれていないものとする。
(ア):2 (イ):3 (ウ):5 (エ):6
基本情報技術者試験 平成18年春期の問題より
上記の問題はFIFOがFirst In First Outの略語であることを覚えておけば、最初に参照されたものが最初に置き換えれると気づくことができ、答えは「ウ」だとわかるかと思います。
もう一つ例を挙げると、下記のような問題も解くことができます。
CRMを説明したものはどれか。
(ア) 卸売業者・メーカが,小売店の経営活動を支援してその売上と利益を伸ばすことによって,自社との取引拡大につなげる方法である。
(イ) 企業全体の経営資源を有効かつ総合的に計画して管理し,経営の高効率化を図るための手法である。
(ウ) 企業内のすべての顧客チャネルで情報を共有し,サービスのレベルを引き上げて顧客満足度を高め,顧客ロイヤルティの最適化に結び付ける考え方である。
(エ) 生産,在庫,購買,販売,物流などのすべての情報をリアルタイムに交換することによって,サプライチェーン全体の効率を大幅に向上させる経営手法である。
基本情報技術者試験 平成21年秋期の問題より
CRMはCustomer Relationship Managementの略称で、日本語訳すると顧客関係管理になります。上記の4つの中で顧客について言及しているのは「ウ」だけになり、それだけで解答することができます。
英語の正式名称を覚えるだけで解答できるのはお得ですね!
英語の略語はそれぞれの正式名称を何となくでも覚えることで、問題を素早く解くことができるようになります。ぜひ活用してみてください。
用語をしっかり覚える < 問題を何となく覚える
用語の意味をしっかり覚えたとしても、実際の試験でその知識をうまく活用し、答えることができるかはまた別の問題です。一方で基本情報技術者試験の問題は過去の問題の使い回しが多く、過去の問題と全く同じ問題が出題されることがよくあります。午前試験では大体40%が過去の問題から出題されるようです。
用語をしっかり覚えることも大事ですが、実際に過去問を解いてみて問題とその解答のセットを何となくでも覚えておくようにしてください。過去問は最低でも5年分解くようにしましょう。
過去問を解いた分が実際の試験で解ける問題の貯金になります。
午前試験では80問中32問が過去問と同じ問題じゃぞ。過去問を制する者が試験に合格できるのじゃ!
基本情報技術者の効率的な暗記方法
ここからは基本情報技術者の効率的な暗記方法について解説していきます。
勉強法に気をつけるだけでも劇的に合格率がアップします!
インプット < アウトプットであることに気を付ける!
基本情報技術者試験では知識や概念を覚えるインプットよりも、実際の問題を解いていくアウトプットの方が重要です。これは上記でも記載した通り、実際に試験で出題される問題と参考書やテキストでの記載には差異があり、参考書の中身を覚えても実際の問題を解けるとは限らないからです。さらに、時事問題など参考書にはない問題も出題されるため、過去問を解くことで学べる部分も侮ることができません。
効率的な勉強法としては、テキストを1周読んでみたらすぐに過去問に取り掛かってみてください。最初のうちは間違えることも多いと思いますが、逆にその時解けなかった問題が今の自分に足りない部分だとわかるため、もう一度テキストに戻って覚えるようにしてください。
下記でも紹介しますが、わからなかった単語はメモなどして記録に残すようにしてください。
問題を見るだけではなく、実際に解くことが記憶の定着に繋がるのじゃ!
勉強の重要度は 『テクノロジ > ストラテジ > マネジメント』!
基本情報技術者試験では分野別の出題数に差異があります。それぞれの出題数は下記のようになっています。
分野 | 出題数 |
テクノロジ系 | 50問 |
マネジメント系 | 10問 |
ストラテジ系 | 20問 |
配点としてはテクノロジ系が圧倒的に多く、マネジメント系はたった10問しか出題されません。勉強する量に関しても出題数と同じ比で勉強すると効率的です。特に文系の方や初めて受験する方が失敗してしまう理由に、配点の多いテクノロジ系に苦手を残してしまい失敗する場合が多いです。
文系の方の場合、ストラテジ系の問題の単語は経済学などの範囲のものも多く、勉強しなくても解けてしまう問題も多いかと思います。一方でマネジメント系の問題はプロジェクトマネジメントなどに関連した出題であり、社会人でない方には馴染みのない言葉が多く出題されますが、出題数はたった10問しかありません。
効率的に勉強するために、どの分野にどのくらいの時間をかけるか気にするようにしてください。
隙間時間を有効活用する!
基本情報技術者試験に合格するためには初学者で大体100〜200時間必要だと言われます。仮に最短の150時間必要だとすると、毎日1日2時間の勉強で2ヶ月弱必要になります。
一方で社会人の方や忙しい方の場合であれば、毎日余裕を作って勉強することはかなりハードルの高いことかと思います。さらに勉強しない期間が長くなってしまうとその分覚えたことも忘れていってしまうため悪循環が続きます。
基本情報技術者試験の勉強は隙間時間を有効活用することが重要です。例えば通勤時間や食事をしている間に参考書や過去問を眺めるようにしましょう。同じ内容でも繰り返し学習することで忘れづらくなります。この時、下記でも解説する「覚えられていないもののリスト」を作成していればさらに効率よく学習することができるようになります。
勉強に費やした時間がそのまま合格率につながるぞ!
社会人の場合には、時間の使い方がとても大切になってきますね!
覚えられていないもののリストを作る!
基本情報技術者試験の勉強では「覚えられていないもののリスト」を作ることがとても効果的な勉強法です。これは参考書での学習や過去問の実践の際、わからなかった単語や覚えていなかった用語をメモをしてリストとして残しておくことです。このリストを使えば隙間時間の勉強や試験直前の見直しが効率よく行えるようになります。
リストが溜まった後に見返してみればそれが努力の結晶になります。
最初は面倒だと思うかもしれませんが、試験の本番が近づくにつれてその効果がはっきりとわかるようになるかと思います。
試験直前の短期記憶は試験合格には重要じゃぞ!
下の記事でも基本情報技術者試験の頻出単語について解説しているので是非参考にしてみてください!
午後試験の勉強は後回しにしてもいい!
基本情報技術者試験は午前試験と午後試験があり、どちらの勉強も両立するのはとても大変かと思います。
結論としては基本情報技術者試験では午後試験を後回しにして午前試験のみに集中しても大丈夫です。理由は基本情報技術者試験はCBT方式に変わり、受験する日程を自分で選べるようになりました。詳細は下記の記事で記載していますので、参考にしてみてください。
CBT方式に移行したことにより、午前試験と午後試験の日程を分けることができるようになります。そのため午前試験を突破した後から午後試験の勉強に取り組むということも可能です。
試験日を分ける方がそれぞれの試験に集中できて、合格しやすそうですね!
午後試験は午前試験で勉強した知識が活かせる試験です。基本情報技術者試験は午前試験と午後試験の両方での6割達成が合格の条件です。午前試験でつまづいて午後試験を受ける意味がなくなった、なんてことのないように午前試験は時間を作ってじっくり取り組むようにしてください。
完璧に覚える必要はない
基本情報技術者試験では数多くの単語・用語が出題されますが、そもそもこれらの単語・用語の意味について完璧に覚える必要はありません。基本情報技術者試験は全問選択式の問題なため、4つの選択肢の中から正解を選べればいいのです。そのため用語と連想したワードだけで解けてしまうことも多くあります。
何となくでも覚えたのなら是非実際の過去問を解いてみるようにしてください。覚えたことを実際の問題で活用することで記憶が定着するようになります。
実際の問題を解くことが記憶の定着に繋がりますね!
まとめ
この記事のポイントをおさらいしましょう。
- 単語と単語を紐付ける覚え方が効果的
- 英語の略語は正式名称まで覚えるようにする
- 知識を覚えたら過去問を解いて実践をする
- 覚えられていないもののリストを作る
文系の方や初めて受験する方にとっては基本情報技術者試験は新たな概念や知識を覚える必要があるため、どうやって勉強すればいいか悩む方も多いと思います。単語や用語の覚え方や勉強法を気をつけることで必要な勉強時間を抑えて合格することが可能になります!
勉強法だけではなく、しっかりと勉強時間を取ることも重要じゃ!
隙間時間を利用して合格率を高めよう!
是非この記事を参考にして、合格に向けて勉強に取り組んでみてください。