応用情報技術者試験の情報や難易度についてまとめています。応用情報技術者の最新の変更点や資格を取るメリット・デメリットについても合わせて解説していきます。
IT系の企業への就職や転職、社内での昇進にはIT系の資格が重要視されます。
IT系の資格の中でも「基本情報技術者試験」のさらに上をいく「応用情報技術者試験」があることをご存知でしょうか。「応用情報技術者試験」に合格することはIT系の企業で働く上で大いに意味があり、IT系で働く人は必ずと言って良いほど取得を目指す資格になります。
この記事では「応用情報技術者試験」についての概要や難易度、資格を取るメリットやデメリットについて解説していきます!
基本情報技術者試験とはどう違うんですかね?
試験範囲は大体一緒でも出題される問題の難易度はかなり上がるぞ!
応用情報技術者試験とは
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験、ITパスポート試験と並び、「国家試験」であり、独立行政法人である情報処理推進機構(IPA)が実施しています。
このIPAによると試験対象者は「高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者」になります。
略称は「応用情報」もしくは「AP」と呼ばれたりします。
資格の立ち位置としては、国家資格である情報処理技術者試験12区分のうち、応用情報技術者試験は基本情報技術者試験の1つ上のレベル(レベル3)に位置づけされています。
さらに上の資格には「ITストラテジスト」や「プロジェクトマネージャ試験」などがあります。
IT業界でキャリアアップを目指すなら応用情報技術者試験の合格は必須になるぞ!
応用情報技術者試験の試験内容と難易度
ここからは応用情報技術者試験の概要について解説していきます。
応用情報技術者試験の内容
開催時期
応用情報技術者試験は毎年4月(春)と10月(秋)の2回行われ、申し込み受付はそれぞれ1月上旬〜2月上旬、7月上旬〜8月上旬になります。申し込みにはIPA(独立行政法人情報処理推進機構)ホームページから行うことができます。
受験料
受験料は2021年現在では5700円(税込)ですが、2022年4月より7,500円(税込)に値上げすることが確定しています。
受験の条件
応用情報技術者試験には受験資格はありません。誰でも受けることができますが、学生と社会人の受験比率は1:9であり、ほとんどがIT企業などで働く社会人になります。
試験会場
試験会場は全国主要62都市で開催されます。基本情報技術者試験やITパスポート試験がCBT方式に対応しているのに対し、応用情報技術者試験は筆記で行われることに注意が必要です。
試験内容
試験は午前試験と午後試験に分かれていて、午前試験は4択問題が80問、午後試験は長文問題を11問出題の中から5問選択で全ての問題が記述式の問題になります。なお、午後試験の選択問題は問1が必須解答、 問2〜11の中から4問選択であることに注意してください。
試験時間は午前試験、午後試験ともに150分と長丁場になります。
午前試験 | 午後試験 | |
試験時間 | 150分(9:30〜12:00) | 150分(13:00〜15:30) |
問題形式 | 多肢選択式(4択問題) | 記述式 |
問題数 | 80問 | 11問(長文問題) |
回答数 | 80問 | 5問 |
合格発表
合格発表は試験後約2ヶ月後に発表されます。
応用情報技術者試験の合格基準
応用情報技術者試験に合格するためには午前試験、午後試験ともに100点満点中60点を取ることが条件です。つまり午前試験では80問中48問正解することが条件となります。午後試験では問題を3分野完答することができれば合格になります。
基本情報技術者試験と合格基準は一緒なんですね
合格基準は一緒でも1問1問の難しさが跳ね上がるぞ!
応用情報技術者試験の出題範囲
応用情報技術者試験の出題範囲は基本情報技術者試験とほとんど一緒ですが、基本情報技術者試験よりも深い知識と理解が必要になってきます。
基本情報技術者試験の午前試験は下記の問題数の配分で出されます。
- テクノロジ系(50問)
- 基礎理論
- コンピュータシステム
- 技術要素
- 開発技術
- マネジメント系(10問)
- サービスマネジメント
- プロジェクトマネジメント
- ストラテジ系(20問)
- 経営戦略
- システム戦略
- 企業と法務
特にテクノロジ系の問題が50問と大多数を占めるため、対策が重要になってきます。
午後試験の範囲に関しては以下のようになっています。
分野 | 問1 | 問2〜11(4問解答) |
経営戦略・戦略立案・コンサルティング | ○ | |
システムアーキテクチャ | ○ | |
ネットワーク | ○ | |
データベース | ○ | |
組み込みシステム開発 | ○ | |
情報システム開発 | ○ | |
プログラミング(アルゴリズム) | ○ | |
情報セキュリティ | ◎ | |
プロジェクトマネジメント | ○ | |
サービスマネジメント | ○ | |
システム監査 | ○ |
特に「情報セキュリティ」分野が必須であることや、基本情報技術者試験と違って4問自由に問題を選択できることに注意が必要です。
基本情報技術者試験と違って選択問題の自由度が上がりましたね!
応用情報技術者試験の難易度
応用情報技術者試験の合格率は20%前後で推移しています。さらに受験者のほとんどがIT系関連の企業に従事している人であると考えると合格するのはかなり難しい試験であるといえます。
2019年秋 | 2020年秋 | 2021年春 | |
応募者数(人) | 50,440 | 42,393 | 41,415 |
受験者数(人) | 32,845 | 29,024 | 26,185 |
合格者数(人) | 7,555 | 6,807 | 6,287 |
合格率 | 23.0% | 23.5% | 24.0% |
応募者数と受験者数の乖離の激しさからも勉強や受験の厳しさが伝わってくるかと思います。
基本情報技術者試験の合格率も20%前後じゃったな。ただし、応用情報技術者試験を受ける人のほとんどは基本情報技術者試験に合格できる実力を持った人ばかりじゃ!
独学でも取ることが可能か
応用情報技術者試験を独学で取ることはかなり厳しいと言えます。
大学などで情報系を専門的に勉強してきた方や、IT系の企業で実際に従事している方であれば独学で取得することも可能かもしれません。文系の方や初めて応用情報技術者試験を受ける方だと数学的知識やテクノロジ分野の深い理解が必要であるためとても難しいと考えられます。
オンライン資格講座のスタディングなどの講義を利用して、効率良く学習を進めるというのも1つの手段です。スタディングでは一流の講師が図やアニメーションを用いて説明してくれるので、難しい概念や深い知識をわかりやすく学ぶことができます。
さらに、WEBテキストや問題集・対策模試など全て合わせても金額が4万円程度と、業界ではかなり安いところにも好感が持てます。
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応用情報技術者試験に挑戦する前に、まずは1つ下のレベルの基本情報技術者試験にチャレンジしてみてもいいかもしれません。基本情報技術者試験に関してはこちらの記事で解説しています。
いきなり応用情報技術者試験を受けるのは無謀ってことですか!?
何事も段階を踏んで進んでいくことが大事じゃぞ。挑戦するのは自由じゃが試験料のことも考えると、確実に合格できるようにすることも大切じゃ!
応用情報技術者試験に合格するメリット・デメリット
次に応用情報技術者試験に合格するメリット・デメリットについて紹介していきます。
応用情報技術者試験に合格するメリット
就職や転職に役立つ
応用情報技術者試験に合格することは企業側にとって、資格保有者が「ITエンジニアとしての応用的な技能・知能を持っていることを国が証明されている」ということになるため、採用で有利に働きます。
特に新卒の方は他の就活生に差をつけるチャンスになります。
新卒就活で応用情報技術者の資格を持っていると周りと大きな差がつきますね!
企業内部での昇進が有利になる
企業の内部では「TOEIC○点以上」であることや「○○資格を保有」などが昇進の条件になることが多々あります。
IT企業の内部では多くの企業が応用情報技術者試験に合格することを昇進の条件などにしています。
そのため、将来IT企業で働くことを志望する方や今後IT企業への転職を考えている人は応用情報技術者試験にチャレンジしても良いかもしれません。
さらに上位の試験を受ける際の優遇になる
応用情報技術者試験のさらに上の資格として、「ITストラテジスト」や「プロジェクトマネージャ試験」などがあります。
これらの資格は応用情報技術者試験に合格することによって午前試験の一部が免除になります。午前試験が一部免除になる資格は以下のものです。
- ITストラテジスト試験
- システムアーキテクト試験
- プロジェクトマネージャ試験
- ネットワークスペシャリスト試験
- データベーススペシャリスト試験
- エンベデッドシステムスペシャリスト試験
- ITサービスマネージャ試験
- システム監査技術者試験
IT企業で働いていく中では上記の資格の取得も推奨されることがあります。応用情報技術者試験に合格することはさらに上位の資格を目指すための登竜門であると言えるでしょう。
IT業界で活躍するなら上位の試験の合格もいずれ必要になってくるぞ!
応用情報技術者試験に合格するデメリット
応用情報技術者試験に合格することにはデメリットはありません。
一方で合格することが難しい試験であるため、何度もチャレンジしても合格できなかった人も多くいます。
数学的素養や文章の読解能力など様々な素質が求められる試験であるため、勉強時間と合格が結びつきにくいことが資格を目指す上でのデメリットかもしれません。
いくら勉強しても合格できないこともあるんですか!?
試験当日の問題との相性やコンディションもあるからな。ただし、試験勉強の時間を増やせば増やすほど合格しやすくなるのも事実じゃ!
応用情報技術者試験の勉強法
ここからは応用情報技術者試験の勉強法について解説していきます。
前提として、応用情報技術者試験を受ける前に、基本情報技術者試験に合格することをオススメします。
基本情報技術者試験よりも応用情報技術者試験の方がさらに応用力が求められるため、基本情報技術者試験の合格後に受ける方が実際の試験問題への慣れなど勉強する上で有利に働きます。
応用情報技術者試験の試験範囲は基本情報技術者試験と共通する部分が多くあります。そのため、基本情報技術者試験に合格した後にチャレンジする場合には知識のインプットは少なくすみます。
逆に午後試験の記述への対策など、応用力が必要不可欠になるため、勉強の際は過去問などへの挑戦を中心にするしましょう。
基本情報→応用情報というステップアップを踏むことが大事ってことですね!
おすすめの参考書・テキスト
応用情報技術者試験を受ける際には参考書やテキストを購入することをオススメします。理由は勉強をしている最中にわからない単語や問題があったとき、その部分を素早く参考書から見つけることで理解する時間を短くする助けになるからです。以下の2つの参考書の購入をオススメします!
キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者 令和03年
こちらの参考書は解説に多くのイラストを使用し、試験範囲の概要がとても理解しやすい作りになっています。応用情報技術者試験に挑戦するための最初の本としてはまず間違いなくオススメできます。
一方で解説に力を入れてる分、細かい部分の単語などが触れられてない場面もありますので、その部分は自分で補う必要が出てきます。
キタミ式イラストIT塾は基本情報技術者試験でお世話になった方も多いと思うぞ!
応用情報技術者試験にはより深い理解が必要になるから解説の充実度は大切ですね!
令和03年【春期】【秋期】 応用情報技術者 合格教本
こちらの参考書は応用情報技術者試験を受ける多くの人が選ぶ参考書と言っても良いでしょう。試験に出てくる単語や用語をほとんど全てカバーしてると言っても良いため、この参考書を完璧にすれば合格することができるでしょう。
ただテキストの文章は少し硬いイメージなため、注意が必要です。
基本情報技術者試験に合格した方ならこの参考書でも間違いなく勉強できると思うぞ。
試験範囲が網羅されているので、これ1冊で合格まで進めることができそうですね!
過去問による演習
応用情報技術者試験に合格するためには過去問の演習は必要不可欠と言って良いでしょう。特に午後試験への対策として
- どの問題を選択すべきか
- どうやって問題を解けば良いか
- どのように試験時間を配分すれば良いか
など試験本番前に見極めておくべきことがいくつもあるため、最低でも5年分は過去問を解く必要があります。
応用情報技術者試験の過去問はIPAのホームページに掲載されているため、過去の問題を解くことで本番への対策をすることが可能です。
さらに実際の過去問とその解説を学びたい方には下記の参考書をオススメします。
情報処理教科書 応用情報技術者 テキスト&問題集 2021年版
こちらのテキストには試験範囲の解説と、実際の試験の問題集が解説とともについてくるためオススメです!
1つのテキストで合格までの勉強が完結するので、とてもありがたいです。
基本情報技術者試験に合格した方ならいきなり実践に進んでも問題ないと思うぞ!
より実践を積んだ方が出題範囲に対する理解が深まりますね!
短期間で効率よく学習する際におすすめの資格講座サービス
応用情報技術者試験に合格するために必要な勉強時間は、一般的にITの知識がない方だと500時間はかかると言われています。
しかし、多忙な学生や社会人にとってはこの時間を確保することが難しくなります。
そういった方にはオンライン資格講座のスタディングをオススメします。
こちらのサービスはスマホ1台のみでいつでもどこでも隙間時間に学習できることが最大のメリットですが、それ以外にもコストが安いであったり、午後試験対策がしっかりできる等の充実さも兼ね備えています。また、一流講師が動画講義で解説してくれるので、誤った知識が付きにくいです。
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詳しくはこちらの記事で解説していますので、合わせてご覧ください。
まとめ
いかがだったでしょうか。この記事のポイントをおさらいしてみます。
- 応用情報技術者試験は基本情報技術者試験の上位の資格
- 合格が難しい資格であるが、その分合格後のメリットが大きい
- 応用情報技術者試験に合格するために基本情報技術者試験を受けるのがオススメ
- 時間がない人はスタディングなどのサービスを活用しよう
応用情報技術者試験に合格するためには知識を身につけるインプットよりも応用力である問題を解く力のアウトプットが求められます。試験内容はより社会で役立つ実践的なものであるため、勉強することそのものが将来への役に立ちます。
何度も言うようじゃが、基本情報技術者の資格を持っていないならまずそっちの資格取得を目指すことをオススメするぞ!
応用情報技術者試験の勉強法についても解説しているので、そちらの記事も参考にしてみてください!
本記事が応用情報技術者試験合格への助けになれば幸いです。