応用情報技術者試験に独学で合格するための勉強法や対策法について解説しています。特にこの記事では午前試験の対策について解説しています。
応用情報技術者試験に合格することはIT系企業で働く場合にはとても意義があります。企業によっては入社5〜10年以内に取得を指示されることや、就職や転職で非常に高評価を得るきっかけとなります。
この記事ではそんな応用情報技術者試験に合格するための対策法について解説していきます。
特にこの記事では午前試験にスポットを当てて詳しい勉強法について解説していきます。
基本情報技術者試験の午前試験と何が違うんですか?
問題形式は一緒じゃが、難易度が上がるのじゃ。詳しく解説していくぞ。
応用情報技術者試験の合格基準
まずは応用情報技術者試験そのものの合格基準について解説していきます。応用情報技術者試験の概要について知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください!
応用情報技術者試験、午前試験の合格基準
応用情報技術者試験で試験は以下のように行われます。
午前試験 | 午後試験 | |
試験時間 | 150分(9:30〜12:00) | 150分(13:00〜15:30) |
問題形式 | 多肢選択式(4択問題) | 記述式 |
問題数 | 80問 | 11問(長文問題) |
回答数 | 80問 | 5問 |
応用情報技術者試験では午前試験、午後試験ともに100点満点中60点以上が合格基準となります。
午前試験では80問中48問正解することが合格基準となります。
基本情報技術者試験と同じ基準ですね!
応用情報技術者試験の合格率
応用情報技術者試験の受験者数は毎年4~5万人、合格率は毎年20%前後を推移しています。この合格率はIT系の資格の中ではかなり低い方だと言えます。さらに受験者の層もIT系の企業で働いている方や情報系を専攻とする大学に通う方などが大多数を占めるため、初学者の場合の合格率はさらに低いと考えられます。
2019年秋 | 2020年秋 | 2021年春 | |
応募者数(人) | 50,440 | 42,393 | 41,415 |
受験者数(人) | 32,845 | 29,024 | 26,185 |
合格者数(人) | 7,555 | 6,807 | 6,287 |
合格率 | 23.0% | 23.5% | 24.0% |
受験者は皆、基本情報技術者試験に合格するレベルの人が大半じゃ。初学者で合格するのはかなり厳しいぞ!
応用情報技術者試験の合格に必要な勉強時間
応用情報技術者試験の合格に必要な勉強時間は初めて受ける場合には大体500時間以上は必要だと言われています。
ちなみに基本情報技術者試験の合格に必要な時間が大体200時間と言われているため、その倍は必要ということになります。
1日2時間の勉強で250日もかかるんですね…
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スタディングの動画講義を試聴するのにかかる時間は午前試験・午後試験を合わせておよそ45時間であり、試聴後の隙間時間を問題集などのアウトプットの時間に充てる事でさらに効率よく学習を進めることができます。
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応用情報技術者試験は独学で合格することができるか
結論としては応用情報技術者試験は独学でも合格することが可能です。ただし、要点を押さえて勉強することが必要になります。
まず応用情報技術者試験の出題範囲は基本情報技術者試験の出題範囲とほとんど変わりません。
一方で応用情報技術者試験で重要視されることは応用力であり、特に午後試験は記述式なため、自分の言葉で解答やその理由を説明する必要があります。
基本情報技術者試験に合格する力があるならば、さらに理解を詰めることで応用情報技術者試験に合格する力をつけることができるでしょう。
基本情報技術者試験に合格した方であれば、さらに深く理解することで合格を狙えるぞ!
応用情報技術者試験の勉強・対策法(午前試験編)
前提として、まだ基本情報技術者試験に合格していない場合には、基本情報技術者試験を受験することをオススメします。
理由は上記でも記載した通り、応用情報技術者試験の出題範囲は基本情報技術者試験の出題範囲とほとんど変わりません。
いきなり応用情報技術者試験を受けるよりも基本情報技術者試験を勉強し、問題に慣れる方が応用情報技術者試験に受かりやすくなるからです。
資格試験は少しづつステップアップすることが大切じゃぞ。受験料のことを考えると確実に合格する道を取るのが賢明じゃ!
ここからは応用情報技術者試験の合格に向けた具体的な勉強法について解説していきます。応用情報技術者試験は問題の出題され方も難しいため、1問でも合格することが重要になってきます。午後試験の前哨戦として、午前試験で躓かないようにしましょう。
過去問は5年分は最低でも解く
応用情報技術者試験では過去問を解くことが非常に重要です。応用情報技術者試験の問題の多くは過去の問題と似たものが出ます。割合としては4割が過去問からの引用と言われ、問題数で言うと80問中、32問です。仮に過去問と同じ問題に全て解答できたとすると、残りの48問中16問正解することができれば合格です。
これは基本情報技術者試験でも同じような現象がありました。
今までの応用情報技術者試験の傾向として、1-2年前の過去問は出づらく、3−5年前の過去問が出やすいと言われています。そのため過去問を解く順番は1年前の過去問から順に5年前の過去問まで解いていくと良いでしょう。
過去問をたくさん解いた分、正解できる問題の数を増やしていると思って下さい。
応用情報技術者試験は基本情報技術者試験と違って最新の過去問も公表されますね!
問題形式もほとんど変わらないから本番の試験を想定した対策ができるぞ!
出題される概念は完璧に理解する
基本情報技術者試験では出題される概念を必要以上に理解する必要はあまりありませんでした。
それは午前試験も午後試験も選択肢からの解答だったため、なんとなくでも正解することができたからです。
一方で応用情報技術者試験ではそうはいきません。
午後試験では記述式、午前試験は選択式でも紛らわしい選択肢や意味を理解しないと計算できない問題が出題されます。
午後試験は自分の文章で理由を説明する問題がたくさん出るのじゃ!
以下が基本情報技術者試験と応用情報技術者試験に出題される問題の例になります。これはどちらもページング方式についての問題です。
ページング方式の説明として,適切なものはどれか。
(ア) 仮想記憶空間と実記憶空間を,固定長の領域に区切り,対応づけて管理する方式
(イ) 主記憶装置の異なった領域で実行できるように,プログラムを再配置する方式
(ウ) 主記憶装置を,同時に並行して読み書き可能な複数の領域に分ける方式
(エ) 補助記憶装置に,複数のレコードをまとめて読み書きする方式
基本情報技術試験 平成23年春期の問題より
こちらの問題は「ページング方式」と「仮想記憶」をなんとなく紐付けておいても解ける問題でした。正解は「ア」になります。
一方で応用情報技術者試験ではどのように出題されるのでしょうか。
ページング方式の仮想記憶における主記憶の割当てに関する記述のうち,適切なものはどれか。
(ア) プログラム実行時のページフォールトを契機に,ページをロードするのに必要な主記憶が割り当てられる。
(イ) プログラムで必要なページをロードするための主記憶の空きが存在しない場合には,実行中のプログラムのどれかが終了するまで待たされる。
(ウ) プログラムに割り当てられる主記憶容量は一定であり,プログラムの進行によって変動することはない。
(エ) プログラムの実行開始時には,プログラムのデータ領域とコード領域のうち,少なくとも全てのコード領域に主記憶が割り当てられる。
応用情報技術者試験 平成30年春期の問題より
応用情報技術者試験では問われていることが「ページング方式の主記憶の割り当て」という細かな部分になっています。ちなみにこちらの問題の答えは「ア」になります。
このように応用情報技術者試験の問題は、基本情報技術者試験の問題よりも細かな理解を問う問題が数多くでます。
基本情報技術者試験ではなんとなくの理解で進めてしまった分野が結構あります…
対策法としては「午前試験の過去問に挑戦する→間違えた問題の箇所をもう一度理解する」のサイクルを繰り返すことをオススメします。
基本情報技術者試験に突破している場合には大枠の部分は理解していると思います。もう一度参考書を見直すよりは自分が理解しきれていない部分を明らかにし、穴埋めしていくのが効率的です。
単語の意味の問題は得点源
応用情報技術者試験のでは単語の意味を問う問題が出題されることがあります。
単語の意味を問う問題が出題された場合にはラッキーだと考えてください。
単語の意味の問題は基本情報技術者試験と同じ問題が出るため、解答しやすい問題が多くあります。
単語の意味さえ知っていれば必ず解ける問題なため、暗記or最後の詰め込みで対応が可能です。
単語の意味問題は基本情報技術者試験の問題とほぼ一緒なことが多いぞ!
例えば以下のような問題が例になります。
メモリインタリーブの説明はどれか。
(ア) CPUと磁気ディスク装置との間に半導体メモリによるデータバッファを設けて,磁気ディスクアクセスの高速化を図る。
(イ) 主記憶のデータの一部をキャッシュメモリにコピーすることによって,CPUと主記憶とのアクセス速度のギャップを埋め,メモリアクセスの高速化を図る。
(ウ) 主記憶へのアクセスを高速化するため,アクセス要求,データの読み書き及び後処理が終わってから、次のメモリアクセスの処理に移る。
(エ) 主記憶を複数の独立したグループに分けて,各グループに交互にアクセスすることによって,主記憶へのアクセスの高速化を図る。
応用情報技術者試験 平成29年秋期の問題より
この問題はメモリインタリーブが主記憶へのアクセスの高速化を図る問題と知っていれば解ける問題です。正解は「エ」になります。
実は上記のメモリインターリーブの意味を問う問題は基本情報技術者試験の平成23年春期の問題でも全く同じものが出題されています。
このように単語の意味の問題は基本情報技術者試験の使い回しの問題であったりするなど、得点しやすい問題なため、落とさないようにしっかり勉強しましょう。
対して、テクノロジ分野で出題される問題の中でも応用数学が初学者には解答しづらい問題かと思います。理由は参考書で紹介されることが滅多になく、計算を必要とする問題も多いからです。
例えばこちらの問題が応用数学の問題の例になります。
非線形方程式 f(x)=0 の近似解法であり,次の手順によって解を求めるものはどれか。ここで,y=f(x) には接線が存在するものとし,(3)でx0と新たなx0の差の絶対値がある値以下になった時点で繰返しを終了する。
〔手順〕
(1)解の近くの適当なx軸の値を定め,x0とする。
(2)曲線 y=f(x) の,点(x0,f(x0))における接線を求める。
(3)求めた接線と,x軸の交点を新たなx0とし,手順(2)に戻る。(ア) オイラー法
(イ) ガウスの消去法
(ウ) シンプソン法
(エ) ニュートン法
応用情報技術者試験 令和3年秋期の問題より
この問題の答えは「エ」です。この問題は知っていなければ解けない問題でした。
参考書にも載ってない問題が出ることもあるんですね!?
一方でこうした問題は80問中2問ほどしか出題されないため、そこまで身構えなくても良いかと思います。
応用情報技術者試験では得点できる場面で確実に点数を得ることが重要になってきます。
ストラテジ分野も得点源
応用情報技術者試験を勉強する方のほとんどにとって、ストラテジ系の問題は得点源と言えます。
なぜなら、基本的には単語の意味を覚える問題が多く、出題される問題のバリエーションもあまりないからです。
さらに一般的な常識問題や時事問題も出題されるため、そこまでの対策の必要がありません。
基本情報技術者試験でも同じようなことがありましたね!
応用情報技術者試験では80問中20問がストラテジ分野に当たるため、ストラテジ分野は全問正解できるようにしておきましょう。
マネジメント分野の問題はPMBOKに惑わされない!
応用情報技術者試験と基本情報技術者試験の問題の大きな違いの一つが、PMBOKの中身が出題されるかどうかです。
基本情報技術者試験ではPMBOKに関してはその存在程度しか聞かれませんでした。一方で応用情報技術者試験ではPMBOKの中の知識まで出題されます。
以下が問題の例になります。
PMBOKガイド第6版によれば,プロジェクト・スコープ記述書に記述する項目はどれか。
(ア) WBS
(イ) コスト見積額
(ウ) ステークホルダ分類
(エ) プロジェクトからの除外事項
応用情報技術者試験 令和2年春期の問題より
この問題の答えは「エ」になります。
中には「JIS Q 21500:2018(プロジェクトマネジメントの手引)」の中身を問う問題も出題されます。
過去問を解いていて、PMBOKの問題が解けない!という声がよく聞こえてきます。結論としてはPMBOKの問題は解けなくてもあまり問題がないと言えます。理由は例年の試験でPMBOKに関して問われる問題は1、2問程度しか出題されないからです。
もちろん理解することが一番の解決策ですが、PMBOK自体の範囲が膨大であることを考えると、別の問題で得点できるようにする方が効率的だと言えます。
IT系の企業で働いている方であればPMBOKも馴染みがあるかもしれないぞ!
実際の業務で役立てるために、勉強しても良いかもしれませんね!
セキュリティの勉強は午後試験対策とリンク
応用情報技術者試験は幅広い分野の問題が出題されますが、特にセキュリティ分野に関しては念入りに理解するようにしましょう。理由はセキュリティ分野の知識は午後試験で必須解答が必要なセキュリティの問題を解くための対策にも繋がるからです。
特にセキュリティ分野の単語は午後試験で記述問題となることが多いため、必ず暗記するようにしましょう。
セキュリティ分野の単語は基本情報技術者試験向きではありますが、下の記事にまとめているのでぜひ直前の参考にしてみてください!
得点できるところで点数を落とさないことが大切なんですね!
毎年1問はセキュリティ分野の単語を記述させる問題が出題されるぞ!
参考書を使った学習
応用情報技術者試験を受ける際には参考書やテキストを購入することをオススメします。理由は勉強をしている最中にわからない単語や問題があったとき、その部分を素早く参考書から見つけることで理解する時間を短くできるからです。
特に応用情報技術者試験では上記でも記載した「午前試験の過去問に挑戦する→間違えた問題の箇所をもう一度理解する」というサイクルをオススメしています。
わからない単語があった時に参考書1冊で理解する部分をカバーできるのは効率よく合格するための近道になります。
基本情報技術者試験を受けた方にとっては、解説の充実度より試験範囲の網羅性が重要視されるかもしれないぞ!
おすすめの参考書・テキスト
以下の2つの参考書の購入をオススメします!
令和03年【春期】【秋期】 応用情報技術者 合格教本
こちらの参考書は応用情報技術者試験を受ける多くの人が選ぶ参考書と言っても良いでしょう。試験に出てくる単語や用語をほとんど全てカバーしてると言っても良いため、この参考書を完璧にすれば合格することができるでしょう。
基本情報技術者試験を一度受けたことがある方の場合はある程度の概念は理解しているはずです。さらに細い詰めを行うのであれば、こちらの参考書は大きな助けになるかと思います!
出題範囲が網羅されているのは勉強していても安心できますね!
キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者 令和03年
こちらの参考書は解説に多くのイラストを使用し、試験範囲の概要がとても理解しやすい作りになっています。基本情報技術者試験を受けてから時間が経っている方や、きちんと理解ができているか不安な方はこちらの参考書からもう一度始めると良いかと思います!
一方で解説に力を入れてる分、細かい部分の単語などが触れられてない場面もあります。そこが応用情報技術者試験で細かい詰めを行う際のマイナスポイントになるかもしれません。その部分を自分で調べて補うことができるのであれば、こちらの参考書をぜひオススメします。
基本情報技術者試験の範囲から不安な方は焦らずこちらのテキストから勉強すると良いぞ!
過去問による演習
上記でも記載した通り、応用情報技術者試験では過去問の勉強は必須となります。午前試験でも問題を解く際には正解の選択肢の理由と正解でない選択肢の理由も併せて理解する必要があります。
応用情報技術者試験の過去問自体はIPA(独立行政法人情報処理推進機構)ホームページに掲載されているため、過去の問題を解くことで本番への対策をすることが可能です。
問題と解説がセットで効率よく学習したい方には下記の参考書をオススメします。
情報処理教科書 応用情報技術者 テキスト&問題集 2021年版
こちらのテキストには試験範囲の解説と、実際の試験の問題集が解説とともについてくるためオススメです!
1つのテキストで合格までの勉強が完結するので、とてもありがたいです。
応用情報技術者試験の午後試験は深い理解が求められるぞ。午後試験の記述が不安な方は是非購入を検討するのじゃ!
まとめ
いかがだったでしょうか。この記事のポイントをおさらいしましょう。
- 応用情報技術者試験の午前試験の過去問は最低でも5年分解く
- 単語の意味問題、ストラテジ系の問題はなるべく落とさないようにする
- セキュリティ分野は重点的に理解するようにする
応用情報技術者試験は何度も記載した通り、合格することがとても困難な資格です。一方で合格すると自分自身のキャリアパスが非常に有利になるのも事実です。
この記事で紹介したポイントを押さえて、ぜひ効率よく合格することを目指してみてください!
早速参考書を買って勉強してみようと思います!
勉強のやり方も大切じゃが、勉強時間を確保してじっくり取り組むことも重要じゃぞ!
この記事が応用情報技術者試験の合格に役立てば幸いです!